ウェイトトレーニングのテクニック: 山本義徳 業績集9は、中級者以上にオススメのトレーニング理論本です。
筋トレの追い込み方と伸ばし方に主眼を置いて書かれていて、
とくに前半の多様な方法で刺激を入れる方法については、即実践につながる内容が多かった思います。
追い込む方法と聞くと、ついつい高負荷でガチガチにトレーニングしている姿を
想像してしまいますが、筋トレは奥が深くそれだけが方法ではないようなのです。
どうにも発達しない部位があったり、十分に筋肉が発達していないのに伸び悩んでいる方は
抽象的な理論の中から自分がどこでひっかかっているのかを知るキッカケになる良書だと思います。
あと巻末には山本先生の考案された理想のトレーニングである
マンデルブロトレーニングの具体的方法が記載させているのにも注目です。
ちなみにKindleUnlimitedで読み放題対象となっているので、お得に読むことができます。ありがたい。
ウェイトトレーニングのテクニック: 山本義徳 業績集9 の書籍情報
著者 |
山本義徳 トレーニング指導者、ボディビルダー、サプリメントでは日本一詳しいと呼び声の高いパーソナルトレーナー。愛称は筋肉博士。 個人的に山本先生の本のおかげで筋肉が明らかに大きくなってきています。 |
初版 | Kindle版のみなので記載なし |
販売価格 | 650円 KindleUnlimited対象作品 |
出版社 | Kindleのみ |
ページ数 | 91 ページ |
目次
- 1章 追い込むためのテクニック
- 2章 伸ばしていくためのテクニック
ウェイトトレーニングのテクニック: 山本義徳 業績集9の概要
トレーニングは追い込んでこそ効果がある。そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
生ぬるいトレーニングは自分に負けた気分になるものです。
終わったあとには吐き気を催して、プロテインを飲むのも億劫になってこそ
筋肉は成長すると信じていました。
しかしオーバートレーニングは確実に存在するのです。
好んで実験対象になる人は少ないため、エビデンスの数は少ないですが
東大で実施した実験などが存在しているそうです。
では筋肉の追い込み自体が問題なのでしょうか?
ジムでフォーストレップスを敷いてるトレーナーはすべて勘違いをしてしまっていると。
いえいえ、そんなことはありません!
上級者の刺激慣れに対して、味変の意味で効果があったりするのです。
それに追い込むといっても、方法は多種多様にあります。
- 限界から補助でレップ数を刻むフォーストレップス
- 高重量を20秒インターバルで望むレストポーズ法
- ティッピング・ポイントを避け、回数を追加するパーシャルレップス
- バーンスで科学的刺激を狙う100レップス法
ほかにもここに紹介した追い込み方法の亜種など合わせると十種類も本書では紹介されています。
それぞれ望まれる効果があって、オーバートレーニングにさえ気をつければ、
筋肥大をさせる大きな手助けになってくれます。
後半には伸ばしていくためのトレーニング法と題して、
筋肥大やスポーツ場面でのパフォーマンス改善のためなどシーンにあわせて
メニューを組んでいく方法を紹介しています。
ジャイアントセット法など好んで用いられるものから、
ロシアのスモロフ法とか聴いたこともないマニアックなメニューまであります。
本書を読めばトレーニングの引き出しが増え、
数ヶ月スパンでのトレーニング計画の重要性を知ることができるでしょう。
正直、圧倒的な情報量なのですべてを実践につなげることはできないかもしれません。
でも、「オーバートレーニングにならないように、高負荷は1セットだけで十分」みたいな重要な
部分を拾い集めるだけでも、十分お釣りがくる内容だと思います。
筋トレはストレッチとネガティブが鍵になる
追い込みがオーバートレーニングになるとすれば、
僕たち迷えるトレーニー達は何を頑張ればいいのでしょうか。
本書はそれをストレッチとネガティブでの刺激と答えてくれます。
たとえば背中のトレーニングって、上級者はこぞってチンニング(懸垂)の重要性を説くじゃないですか。
ラットプルダウンやベントオーバーローで発達しなかった背中が、
不思議と懸垂の追い込みで大きくなった経験は僕にもあります。
これはチンニングがフルレンジを使って広背筋に刺激を与えることが1つの理由です。
1口に筋肉と言っても、遅筋も速筋もあるしトレーニングの角度に依存して筋は発達していきます。
ベントオーバーローで十分な負荷が掛けられる繊細な完成を持った上級者なら
発達させることができるかもしれませんが、初心者はまずはフルレンジが容易に掛けれるチンニングが勧められるのです。
2つ目の理由として、ネガティブがすごく掛けるやすい種目でもあるからです。
ポジティブに収縮ができなくなっても、チンニングならジャンプして遠心性で降りてくることで
脇が千切れそうなほど刺激を与えることができるのです。本当です。
このように追い込むと言っても、高重量でぶっ倒れるまで筋トレするのではなく
オーバーワークは避けて、頻度を守り
角度やネガティブ、レンジを意識して励むことが筋肥大のコツなのではと最近は思っています。
まとめ
筋トレは追い込み方法との付き合い方を考えていくことで、次のステージを目指すことができます。
上級者はときには強いネガティブやフォーストレップでガチガチに刺激することも有効ですが
過度な負荷はオーバートレーニングにつながり、逆に発達を妨げてしまいます。
高負荷をかけたときは、1セットで終わるようにすると、これを避けることができます。
追い込む方法としては、化学的刺激を目指して高回数を行ったり
ストレッチ種目やネガティブ種目を組み合わせていき
高重量だけでは十分に負荷をかけれなかった部位や違うレイヤーを目指して
刺激を入れてあげるといいでしょう。
書ききれなかったけど、この本には長期的な成長についても説かれているし
なにより山本先生の答えとして、マンデルブロトレーニングの具体例が書かれているのです!
これを実践してれば、正直細かいことは理解できなくてもいいと思います笑
詳細は本書に譲るので、ぜひ手にとって確かめてくださいね。
マンデルブロトレーニング最高!