山本義徳 業績集8筋肥大・筋力向上のプログラミングは、中級者から上級者向けのトレーニング基礎理論本です。
筋トレの頻度、負荷量、セット数、レップ数、分割方法でお悩みのときには、
一読すると答えが見つかる内容となっています。
また山本先生オリジナルのトレーニング理論、マンデルブロトレーニングの触りも書かれているので
これだけでも読んでおく価値はあると思います。
基礎的な内容がメインとなっているので食指が伸びない方もいると思いますが、
山本先生の実体験やエピソード混じりに紹介されているので、最後まで飽きのこない内容なっています。
ありがたいことに、KindleUnlimitedで読み放題対象作品となっています。
山本義徳 業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミングの書籍情報
著者 |
山本義徳 トレーニング指導者、ボディビルダー、サプリメントでは日本一詳しいと呼び声の高いパーソナルトレーナー。愛称は筋肉博士。 個人的に山本先生の本のおかげで筋肉が明らかに大きくなってきています。 |
初版 | Kindle版のみなので記載なし |
販売価格 | 650円 KindleUnlimited対象作品 |
出版社 | Kindleのみ |
ページ数 | 90 ページ |
目次
- 1章 筋発達のメカニズム
- 2章 トレーニングの頻度を考える
- 3章 最適のセット数を考える
- 4章 レップスの科学とTUT
- 5章 最適のインターバルとは?
- 6章 プログラミングの実際
山本義徳 業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミングの概要
なにごとも大きな成果を得ようと思ったら、正しい理論で努力をすることが大切です。
大きなエンジンを積んで時速300キロで走行しても、間違った方向に走っていれば
いつまで経ってもゴールができないように、
筋トレも効果を得ようと思ったら、筋肥大がどうやったら起きるか知る必要があります。
ときには自分の常識が間違っていることもあるでしょう。
たとえば、超回復理論はどうでしょう。
強く負荷をかけて筋繊維をズタズタにして、適切なタイミングで栄養を補給し休めば
トレーニングの効果がでるのは、常識になっています。
しかし山本先生曰く、元々はカーボローディングに関する理論で、筋肥大に関するものではないようなのです。
たしかに超回復理論でトレーニングしても一定の効果はあるのですが、
現象としては一定の正しさはあっても、理論的に正しい説明にはなっていないのです。
つまり、筋肥大するならもっと効果的な理論があるはずなのです。
- トレーニング頻度は?
- 最適なレップ数は?
- 効果的なインターバルの時間は?
- 分割法の相性は?
トレーニングに熱心な方なら、一度は悩んだことのある内容ばかりではないでしょうか。
本書では数多の実験データに基づいて、このような疑問に答えてくれます。
基礎的な部分だけに、本書にある方法を忠実に守れば体に大きな変化が現れます。
結果が伸び悩んでいるトレーニーには救いの一冊となる本でしょう。
同部位の筋トレは4−5日空けるのがベスト
きになったポイントをいくつか書いてみます。
筋トレは中毒性があるので、できる限りの時間を使ってトレーニングをしたくなってしまいます。
僕も週6回ほどジムに通って追い込むときもあり、今日もパンプした肩を眺めながらうっとりしてきました。
しかし、それだけトレーニングに通っているとオーバーワークの心配があるようです。
筋の発達は負荷を強くかけたほど、大きく成長する超回復理論方式ではなく
山本先生は電気のスイッチのように、閾値を超えることで起こると説明されています。
いまの限界が100なら、101の刺激を与えて上げれば十分ということです。
これが山本先生の有名な101理論です。
さらに刺激が入って回復するまでの時間は、できれば4−5日はあけた方が効果的とのこと。
トレーニング時間は長くても90分以内にして、短くするように心がけていましたが
頻度に関しては3日に一度同じ部位を鍛えることもあり、高頻度すぎたようです。
ただし筋肉の補助筋を上手に使えば毎日のようにトレーニングしても
効果が得られる場合もあるようです。ベンチプレッサーの方などを先生は例にだされていました。
二頭筋は丁寧に、三頭筋は高負荷で肥大しやすい
筋肉はその特徴によって、反応しやすいトレーニングがあるそうで
実際に追い込んでいても、効果がでる部位とそうでない部位がありますよね。
それは個人の特徴という面もありますが、鍛えている筋の特徴にあってない方法で
追い込んでいる可能性もあります。
たとえば、紡錘状筋と羽状筋では負荷量への反応が違う傾向があるそうです。
これは筋の形状の分類で前者が高レップに、後者が高重量に反応しやすいと言われています。
しかし筋肉は複雑で速筋と遅筋の分類もあり、これも効果的な負荷が違うのです。
速筋は高重量に、遅筋は高レップ数に反応すると言われています。
このため部位ごとにトレーニングのコツがあるのです。
上腕二頭筋の場合は、速筋と遅筋の割合が五分五分で形は紡錘状筋に分類されます。
このため高負荷をかけてズドンと利かすよりは、丁寧にあげていくほうが筋肥大に繋がりやすい傾向があります。
特徴から負荷方法を考察するのは、じつに面白いと感じました。
まとめ
筋肥大を効率的に目指すために、正しい方法を知る必要があります。
トレーニング理論は出尽くしているイメージもありましたが、
超回復理論が必ずしも正しくないように、誤った知識が流布されていることもあります。
本書では、効果的なトレーニング計画を組むために必要な知識が詰まっています。
頻度や休憩時間のことなんて退屈と感じる方もいると思いますが、
基礎的なことだけに間違っていると、大きく効率を落とすことになります。
土地が傾いていたら真っ直ぐ家が立たないように、
理論が間違っていると目標の身体になることはできません。
時間があるときに、一度基礎的な内容を振り返ってみても損はしないと思いますよ。