山本義徳先生のタンパク質とアミノ酸後編は、上級者向けの栄養本です。
前編のタンパク質に続いて、アミノ酸個別の役割について詳しく書かれています。
完全に専門書ですから、イラストは少なくて専門用語で
説明されているので基礎的な用語がわからなかったら、調べながら読み進めることになると思います。
ただしアミノ酸をこれほど詳しく書いてある本は他にないでしょう。
トレーニングでアミノ酸系のサプリを飲んでるけど十分な効果を感じれない方や、
トレーナーとして理論から理解して、人に説明できるレベルを目指している方に特にオススメです。
ありがたいことに、KindleUnlimited対象作品なので30日間は無料で読むことができます。
タンパク質とアミノ酸 後編の書籍情報
著者 |
山本義徳 トレーニング指導者、ボディビルダー、サプリメントでは日本一詳しいと呼び声の高いパーソナルトレーナー。愛称は筋肉博士。 個人的に山本先生の本のおかげで筋肉が明らかに大きくなってきています。 |
初版 | Kindle版のみなので記載なし |
販売価格 | 650円 KindleUnlimited対象作品 |
出版社 | Kindleのみ |
ページ数 | 124 ページ |
目次
- 1章 アミノ酸とはなにか
- 2章 BCAAとEAA
- 3章 グルタミン
- 4章 アルギニンとシルトリン、オルニチン
- 5章 その他アミノ酸やアミノ酸類縁物質
- 6章 ペプチド
タンパク質とアミノ酸 前編: 山本義徳 業績集2の概要
前編はタンパク質というサイズの大きい物質の特徴でしたが、
後編となるこちらの本では構成物質であるアミノ酸から栄養素をみていきます。
ご存知のとおりアミノ酸はタンパク質の構成要素です。
1章では簡単にアミノ酸の化学式の解説と代謝過程が説明からはじまります。
アミノ酸は体内では全部で20種類が使われていまして、必須アミノ酸が9種類、非必須アミノ酸が11種類の構成です。
それぞれに役割があって、自分の持ち場で仕事をしているのです。
たとえばBCAAはどうでしょうか。
トレーニング中にエクステンドを飲んでいる方も多いと思いますが、
こちらにはバリン・ロイシン・イソロイシンが含まれています。
効果は筋の合成作用を高めたり中枢系の疲労を抑制で、
正しい方法で利用すればトレーニングの質をあげてくれるのです。
じゃあ量はどれくらい飲んで、タイミングはどうすればいいの?
という具体的な疑問に答えてくれるのが2章から4章にかけてです。
トレーニングでよく使われる効果の高いアミノ酸を
順番に取り上げてくれているので必見の内容になっています。
さすがにネットに転がっている情報とは一線を画す説得力で、
後述しますがBCAAよりEAAを多めに摂取する方が筋肥大効果が高いとか、
もっと早く知りたかった知識ばかりです。
5章からは駆け足で残りの非必須アミノ酸などの役割と、
6章では鶏胸肉に含まれる話題の疲労回復物質イミダペプチドの紹介などされています。
タンパク質とアミノ酸 後編で気になったポイント EAAの優位性
BCAAは筋肉で代謝されて合成作用のスイッチをONにしてくれるので、
ワークアウトドリンクとして愛飲されている方も多いですが、じつは十分な量のEAAをとる方が効果が高いそうです。
これは筋肉の材料の問題です。
BCAAはたしかに筋合成作用のスイッチを入れてくれますが、
筋肉を合成するには他のアミノ酸の協力が必要です。
足りない材料は残念なことに他の筋を分解してから、
対象の筋肉に補填されてしまうようなのです。
つまり腕のトレーニングをして太くするのに、足の筋肉が材料にされてしまうのです。
せっかく全体のバルクアップを目指しているのに、これでは本末転倒です。
そこで必須アミノ酸がすべて含まれているEAAがオススメされています。
1回に15gなど十分な量をワークアウトドリンクに飲めば、
他の筋肉の分解を抑制しながら、合成作用を高めることができます。
オススメのEAAの選び方や合わせて取りサプリも本書では書かれています。
まとめ
タンパク質とアミノ酸 後編は上級者向けのアミノ酸解説本です。
栄養学の本を好きで読んでいる方でも、ググりながら読み勧めていくことになるでしょう。
化学式からはじまり、トレーニングでよく使われる個別のアミノ酸を類書よりも深く説明されています。
内容を3点ほど紹介するこんな感じです。
- BCAAよりEAAの効果が高い理由について
- グルタミン のアンモニア中和効果
- アルギニンが汗や尿の匂いを緩和する理由
どれも興味深い内容ですので、ぜひ手にとってたしかめて見てください。