進化系!筋肉男子の栄養学は、トレーニングの食事知識をアップデートしたい中級者以上におすすめの栄養本です。
ストイックなトレーニーが結果を求めるあまりに、極端な食事に走ってしまのに対して、
カウンターをとるように食事の重要性について書かれています。
著者の竹並先生は大学講師+栄養士の経歴の方で、栄養の重要性をロジカルに伝えつつ、実践的な食事アドバイスをしてくれることに長けています。
あと女性としての視点といいますか、他の栄養学本にはない柔らかな表現だったり、こうしてくれたら女性は喜ぶよといった要素もあるのが本書の特徴です。
進化系! 筋肉男子の栄養学の書籍情報
著者 |
著者:竹並恵里先生 もともと明治のプロテイン「SAVAS」の研究開発に関わっていたそうです。 最新の栄養学の話を織り交ぜながら、女性の目線で筋トレ男子に語ってくれる美人の管理栄養士のお姉さま。東大の石井直方先生と仲がいいみたいで、ちょこちょこお話にでてきます。
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初版 | 2016/2/1 |
販売価格 | kindle版886円 新書994円 |
出版社 | ベースボール・マガジン社 |
ページ数 | 160ページ |
目次
- 1章 野菜は筋肉の足しにならない、は本当か?
- 2章 魚は、肉よりも体づくりで劣るのか?
- 3章 食べる「量」と「質」に気をつけるだけで、本当に良いのか?
- 4章 食事はただ口にすれば、それで良いのか?
- 5章 「筋力」が強ければ、本当に強い男と言えるのか?
- 6章 カロリーがなければ、体への影響は本当にないのか?
- 7章 筋トレとサプリメントだけで、男らしさのケアは本当に万全か?
- 8章 「脂肪」は本当に悪者なのか?〜前編〜
- 9章 「脂肪」は本当に悪者なのか?〜後編〜
- 10章 トレーニーに痛風は宿命、は本当か?
- 11章 睡眠は足りている、は本当か?
- 12章 「早食い」は本当に男らしい食べ方なのか?
進化系! 筋肉男子の栄養学の概要
この本はもともと、トーレーニングマガジンというガチ筋トレ勢向けに連載されたコラムのようです。
もとの雑誌で見たことはないんですけど、これに加筆修正して出版されたのでしょう。
雑誌の構成がベースなので、ちょっと読み難い面もあるのですが、慣れてしまえば大丈夫でした。
内容は竹並先生に、筋トレ男子の彼氏・旦那が、筋肉の為に極端なコトを行っているのに対して、
嫁・彼女が心配して先生に相談を持ちかける流れです。
- 例)旦那がササミばっかり食べて、肌がカサカサしてるんですけど本当に大丈夫でしょうか?
- 夫がサプリメントで栄養補給ばかりしてるけど、野菜はとらなくてもいいの?
人間は頭ごなしに正論を言われるとムカついてしまうものですが、
第三者の相談という形をとられると、怒られている感が少なくて意見がスッと入ってきます。
でもこれは竹並先生が美人だからというのも関係しているかな笑
また回答のレベルが高い!
栄養学は歴史がある分、どうしても知識が古くなりがちなところがあるのですが、
竹並先生は現役の大学講師だけあって、バンバン最新論文を引っ張って数字でわかりやすく説明してくれます。
2016年の本ですが、抗酸化物質で注目されてるアスタキサンチンとか平気ででてくるので、びっくりしました。
女性からの相談への回答の形になっていますが、しっかり男性読者向けのエビデンスベースで論理的な回答になっています。
食品から栄養を摂る意味は、未知の成分とリスクヘッジ
竹並先生は著書の中でサプリメントでの栄養摂取の効果を認めつつも、食品から栄養素を取り込むことの重要性を説明されています。
- 脂溶性のものと合わせてとった方が吸収効率が良いもが多い。なので食べ合わせが大事。
- 野菜だとフィトケミカルと呼ばれる微量栄養素があり、抽出したサプリで摂る方がかえってコスパが悪い。
- リコピンを例にだされていたが、同じ栄養素でもサプリ単体とトマトでは後者の方が効果があった実験がある
こんな感じで、できれば食材から摂取する方が栄養素としてはいいみたいですね。
たしかにレベルの高いトレーニーは添加物を避け、食品でクリーンバルクに励んでいるイメージがあります。
あとはやっぱり食品でとると鮮度の良さがありますよね。
オメガ3のように、酸化の足が速いものはサプリでの安全性が疑われてたりしますから、青魚での補給するのが理想だと思います。
章の間に掲載されているコラムが咀嚼とDITなどマニアック!
本編のあいだに自炊の勧めのコラムがあるのですが、実行しやすいメニューになってて試したくなります。
炊飯器カレーや、インスタント味噌汁に乾物を入れてミネラル追加など、一人暮らしの男性でも試しやすいものになってます。
あとは咀嚼とDIT(食事誘発性熱産生)のコラムはちょっと驚きました。
簡単に説明すると、子供のときからご飯はよく噛んで食べなさいって言われるじゃないですか。
よく噛まない人は、噛む人に比べて1回の食事で10キロカロリーほど
DITとよばれる消化にかかる熱生産が少なくなってしまうそうです。
たった1食10キロカロリーですが、これって1年に治すと約1万キロカロリーで、体脂肪1.5kg分になるのです!
10年続けたら15kgの増量になると思うと、恐ろしくなりませんか?
ご飯はしっかり噛んで食べようと、読後は誓いましたよ笑
まとめ
進化系!筋肉男子の栄養学は、トレーニー向け雑誌で連載されていたコラムをまとめた本です。
なのでストイックに脂肪制限をしたり、サプリメントを飲んでいる意識の高い方向けに食事の大切さが書かれています。もちろん普通にトレーニングをされている方でも、学ぶところが多いです。
栄養学の本は基本は大きく変わりませんが、この本は2016年当時の最新論文を引用してアップデートされていることと、
栄養士の女性ならではの視点が入ってることが面白い視点を作っていることでしょう。
クラシックな栄養学に新しい視点を加えたい方は一度手にとってみてはいかがでしょうか?
筋トレの栄養学を基礎から応用まで学べるオススメ本5選!
筋トレの栄養学本をまとめて紹介している記事です。
栄養学の基礎から上級者向けの本まで紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。